人気絶頂期にあっさり芸能界を寿引退した内藤洋子
絶頂期にあった内藤は東宝の社長に「しばらく休ませてほしい」と直談判した。
「当時社長だった松岡辰郎さんがとても理解のある人で、内藤の申し出を快くOKした。“1年間休みをあげるから好きなことをしなさい。その代わり、必ず戻ってくるように”と送り出したんです」(同)
ちなみに、松岡辰郎氏は元プロテニスプレーヤー松岡修造の祖父。内藤はこの松岡氏との復帰の約束を果たすことはできなかった。休養期間に入ってまもなく、生涯の伴侶となる喜多嶋と出会ってしまったからだ。
その頃、喜多嶋は慶応に在学しながら、加山雄三が率いるバンド「ランチャーズ」でギターを担当。加山と喜多嶋はいとこの間柄である。内藤も加山とは馴染みが深い。「赤ひげ」で加山の新妻を演じたのが、まだ14歳の内藤だった。そうした縁もあり、内藤と喜多嶋は急接近。出会った頃のことを内藤は日刊ゲンダイ本紙のインタビュー(05年夏)で次のように述懐している。
「当時の私は男性に対してガードが堅かったのですが、彼と出会って人生観が変わりました。女優業を続けることに迷っていた私に“苦しんでいるならやめたら。人生楽しくなくちゃダメ”と言ってくれたのです」