映画「清須会議」に評論家「大河より見応え」と論じる理由
歴史好きを公言する三谷幸喜監督(52)が、満を持して取り組んだ時代劇ムービー「清須会議」。例によって自らPRマシンと化し、新聞に雑誌にテレビにと出まくっていたが、実入りは期待できないようで……。
「公開から2週連続首位をキープしていますが、興行収入は最終で30億円いくかどうか。60億円を超えた『THE 有頂天ホテル』(06年)の半分程度でやや物足りない結果になりそうです」(興行関係者)
もっとも、ニーズの限られた時代劇である。観客は「若者より中高年層が目立ち、シニア料金の客も少なくない。決して客の入りが悪いというわけではない」(前出の興行関係者)という。
三谷監督が執筆した同名小説の映画化。ただでさえ強烈な個性を放つ監督で、アレルギーを感じる人にとってはハードルが高いが、「三谷ファンならずとも楽しめる“お笑い時代劇”。大衆向けのテイストに仕上がっていて、集大成ともいえる作品です」と太鼓判を押すのは、映画批評家の前田有一氏だ。
「本作で映画6本目となる三谷監督。これまでの経験から観客との距離感がつかめてきたのでしょう。『ラヂオの時間』(97年)に代表されるアクが強くてスラップスティック(ドタバタ喜劇)全開のマニアックな初期の作品に比べて、視野の広さを感じます」