小保方さんパロディーで浮き彫り テレビ界の“センス枯渇”
「才能のない放送作家やディレクターが作っているから、格好や発言をただ真似しただけの、何のひねりもないものになる。昔からコントでは事件や騒動をネタにしていましたが、風刺や批判を織り交ぜ、それなりの主張があった。ちゃかす対象も政治家や権力者といった強い者。小保方さんの場合、権力者どころか素人の学者です。『STAP細胞』騒動が社会問題になり、会見をした時点で注目されるのは仕方ないが、芸能人と同じようにイジるべきではない。今のテレビ局の人間は、何が面白いかを見極める能力すらないのです。大事なのは本人が見ても不快に思わないこと。相手が<訴えてやる!>と言ってきた時点で、パロディーとしては失敗なんです。例えば『SMAP×SMAP』の市川海老蔵のパロディー“市川カニ蔵”は本人と共演している。やるならあれくらいやらないとダメ」
フジには有名人パロディーで“前科”がある。03年に放送されていた「ワンナイR&R」のコント「ジャパネットはかた」のコーナー内で、当時ダイエーの監督だった王貞治氏の顔の模型を便器に仕掛けた“王シュレット”を売り込むというコントを放送。球団から抗議を受け、日本シリーズ中継をフジ系列で放送しないとペナルティーを食らった。のちに王氏はこう言った。
「野球界と芸能界を一緒にするからこういうことになるんだ」
テレビ界の才能枯渇が浮き彫りとなる結果になった。