バンド「クラフト」三井誠さんは“あの有名ソング”の作曲家
69年、熊本から上京した三井さんは国学院大学に通う一方、バンドを結成。73年、大学卒業と同時にクラフトを結成した。
「せっかくワーナー(パイオニアレコード)からメジャーデビューできたのに、サッパリでしたねえ。メンバーと貧乏な共同生活を送りながら、夢を語るだけの毎日でした。そんな折、あの曲と出合った。さだクンと同じ大学だと、事務所に入って初めて知りました」
クラフトは79年に解散。三井さんは作曲家に方向転換した。
■稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」を
「これまで高橋真梨子さん、由紀さおりさんなど約20人のアーティストに30曲ほど提供してます。稲垣潤一クンが歌う『クリスマスキャロルの頃には』が一番のヒット曲でしょうか」
170万枚のミリオンセラー。今も毎年、クリスマスが近づくと必ず耳にする。当然、印税ガバガバか?
「みなさん、何もしなくても食っていけるのでは、なんておっしゃる。でも、現実はそんなに甘くなく、印税なんてタカが知れてます。あの曲があんなにヒットしたのは、稲垣クンの声にぴったりハマったのが最大の要因だと思います。ボクの作曲家としてのポリシーは歌い手に合った曲作り。当たり前のようでいて案外、これが難しいんです」