ドラマ「昨夜のカレー 明日のパン」で鹿賀丈史が見せた新境地
小倉が娘の愚痴をこぼせば……。
鹿賀「うちの嫁、まだ息子のこと思ってる。だから出て行かない。でね! それを俺は利用してるんだ……俺たち終わってるねー!」
小倉「終わってる!」
しかし、ふたりでの帰路、小倉の家の玄関にはくす玉があり、小倉が紐を引くと紙ふぶきとともに「お父さん お疲れさまでした」と垂れ幕が……。それは引きこもりの娘が書いたものだった。なんていいシーンだろう。
仲と鹿賀のコメディータッチのやりとりもいい。高齢の視聴者が多い今、この手の作りのドラマは増えるし、ショボくれた中高年を演じるかつてのスターが重宝がられるだろう。今月で64歳になる鹿賀丈史と同年代の中村雅俊も“ショボくれ中高年ドラマ”に起用してほしい。以前も推したが、秋野太作、田中健と「俺たちの旅」の現在を描いてくれたら最高だ。
(文・松野大介)