スポンサーは佐々木朗希にシビアな目…渡米当初の大谷と雲泥の差、経済効果はダルや田中将の半分未満
「お金より夢を取ったと受け止めています」
こう話すのは数々の経済効果を発表している関大名誉教授の宮本勝浩氏(理論経済学)。このたび、佐々木朗希(23)のドジャース入団の経済効果を約127億6941万円と算出した。
ロッテからポスティングでメジャー挑戦した佐々木は、「25歳ルール」でマイナー契約しか結べず、契約金は650万ドル(約10億円)にとどまった。日本人最速の165キロ右腕として、そのポテンシャルは高い評価を得ており、「あと2年待って25歳を迎えてからメジャー契約を結べば、昨オフに山本由伸がドジャース入りした際の契約金(総額3億2500万ドル=約462億円=当時レート)に匹敵する条件が得られた」と報じる米メディアもあるが、実際に経済効果も過去に宮本氏が算出したダルビッシュ有(2012年レンジャーズ入りの約259億円)、田中将大(14年ヤンキース入りの約347億円)には遠く及ばなかった。
仮に佐々木がマイナー契約のまま開幕40人枠に入れば、日割りでメジャー最低年俸(昨年は74万ドル=約1億1600万円)が支給されるものの、今季の年俸は最高でも76万ドル(約1億2000万円)、来季の26年も最高78万ドル(約1億2300万円)にとどまる。ロッテ時代の年俸(8000万円)よりは多いとはいえ、年俸調停権を得るまで最低3年、FAになるまで最低6年かかり、18年にマイナー契約でエンゼルス入りした大谷翔平(30)と同様、より多くのスポンサー収入を得たいというのが佐々木サイドのホンネだろう。代理人のジョエル・ウルフ氏も「スポンサー契約が取れる球団を重視する」と発言していた。放送関係者が言う。
「今や『10年1000億円超』の契約を結ぶ大谷も、年俸はメジャー1年目の18年が約6000万円、2年目の19年が約7200万円、3年目の20年はコロナ禍で試合数が減ったことなどもあり、約2700万円に過ぎなかった。一方で、メジャー挑戦が決まるやスポンサーが殺到。1年目からJALやセイコーウオッチなど5社以上が支援。年俸の数倍のスポンサー収入を得た。年俸調停権を得た20年オフ、2年総額850万ドル(約9億円=当時レート)の契約を結んだ頃にはスポンサー収入はうなぎ上り。21年はそれだけで6億円、翌22年は20億円に達したとみられる。活躍に応じて契約の単価も上がった。佐々木も活躍次第で多くのスポンサー収入を得る可能性はあります」
その佐々木はロッテ時代、複数の企業とスポンサー契約を結び、いくつかのCMに出演した。本紙は、ロッテ時代の佐々木とスポンサー、アンバサダー契約を結んだ企業に、現時点の契約状況と今後の方針について問い合わせた。
「目薬アンバサダー」を務めたロート製薬は昨年まで、佐々木が本拠地ZOZOマリンで先発する際に、バックネット裏に「ROHTO」を「ROHKi」ともじった看板広告を出すなどしてきたが、「現在の契約、今後の契約に関することは、申し訳ございませんが回答しかねます」(広報部)と多くを語らず。
一方、22年から23年にかけてガム商品のCMに出演したロッテ球団の親会社ロッテホールディングスは「佐々木投手との契約は終了しております」としたうえで、「今後のスポンサー、アンバサダー契約について、現時点での予定はございません。これまで同じグループの仲間でしたので、今後の佐々木投手のさらなるご活躍を応援したいと思います」(コミュニケーション広報部)と回答した。