大病蹴散らし高座10日間“完走” 桂歌丸は「崎陽軒」がパワー源
「歌丸師匠の健康法ですか……う~ん、困りましたね、そもそも健康ではありませんもので」
日曜夕方の演芸番組「笑点」の大喜利で円熟の司会ぶりを見せていると思ったら、先月の国立演芸場で約1時間の高座を10日間ぶっ通しで行い、大入りの客席を沸かせた。落語家、桂歌丸(78)が会長を務める落語芸術協会にそのパワーの秘密を聞こうと質問すると、冒頭のような言葉が返ってきた。歌丸は昨年3月に慢性閉塞性肺疾患と肋骨骨折で入院。さらに帯状疱疹などで入退院を繰り返し、今年1月にも肺炎で入院している。
「先の入院で2週間ベッドに横になっていたんで、足の筋肉が落ちて歩くのが難しくなってしまい、最近は車いすで移動しています。ただ正座して落語するのは苦しくないそうで、国立演芸場でも、初日、2日目くらいまで、一席を終えると『うっ』となっていたのが、3日目あたりから調子が出てきて、すっと立ち上がって自分の足で楽屋に戻って来てました」
今回の闘病で引退も考えたものの、「落語をやめたら張り合いがなくなる」と夫人に言われ、現役続行を決めたとTVで語っていた。「大喜利の歌丸ではなく、噺家の歌丸で終わりたい」という思いが高座の原動力ということなのだろうか。