「あまちゃん」出演で “不明”芸能人に…十貫寺梅軒さんは今
「なんせ若旦那ですから、ハハハ。後部座席に布団と鍋釜を積んで上京し、そのクルマも生活に困って売り飛ばしました」
「履歴書みたいなもの」を出すと、唐はニヤッと笑ったとか。
「ワタシ、大型や大型特殊、牽引車などの免許をヒマに任せて取ってたんです。当時、唐さんはテント移動用の大型トラックの運転手を高い給料払って雇ってた。で、“しめた!”と思ったんでしょうね。“よし、合格!”でした」
それからは阿佐ケ谷にあった稽古場兼唐十郎と李礼仙(当時)夫妻の家の玄関脇の小部屋に居候。
その後の劇団での活躍は、団塊の世代にとっては周知の通りだ。
「アングラの時代は終わった」と退団したのは80年。
「取りあえず3年はブラブラしようと思ったら、それが5年になり、10年になり、今や35年です。たまに声がかかって仕事するだけだから、今も昔も年収が100万円を超えたことがない。家内に養ってもらってます」
9月1~6日、糸あやつり人形「一糸座」公演「分身残酷劇カリガリ博士」に出演する。
「70を過ぎるとセリフ覚えが悪くなる。セリフが飛んじゃったらどうしようと、今から悩んでます」