作者に聞く 漫画「その『おこだわり』~」じわり人気のワケ
「東京都北区赤羽」が山田孝之主演でドラマ化されるなど絶好調の漫画家・清野とおる氏。その清野氏が「モーニング・ツー」(講談社)で連載中の「その『おこだわり』、俺にもくれよ!!」がサラリーマンを中心にじわじわと人気が拡大している。
この作品は、つまらない日常の中で別にこだわらなくてもいいことにあえてこだわり、そこに自分だけの幸せを見いだしコソコソと楽しんでいる輩=「おこだわり人(びと)」を清野氏が取材し、実践するノンフィクション漫画。
たとえば、自宅マンションのベランダを衣食住でフル活用する男、喫茶店のアイスミルクに耽溺(たんでき)する男、ポテトサラダには「金麦」、「氷結」にはツナ缶にマヨネーズとコショウを死ぬほどかけたものが相性抜群と語る男、白湯(さゆ)を朝昼晩に楽しむ“白湯リスト”などなど……。読めば即、実践したくなる事例が満載なのだ。
清野氏がいう。
「もともと、何かに愛着をもっている人の話を聞くのが好きだったんです。しかも、細かくて、他の人にとってはどうでもいいようなことを愛している人の話がたまらなく好きでした。そして、彼らを『おこだわり人』と名付け、彼らが持つ『おこだわり』を漫画にしようと思ったのです。彼らの『おこだわり』は、聞いて、すぐマネができて、しかも、ほとんどカネがかからない。デフレ時代の現在に最適なものです。彼らにこそ日常を生き抜くヒントがあるんじゃないでしょうか。これまで結構いろいろな漫画を描いてきましたけど、この単行本が、清野とおる史上最高の出来だと自負しています。もういつ死んでもいいくらいの完成度です」
今晩、さっそくトライしてみますか。