芥川賞フィーバーに辟易も ピース又吉“狂奔の夏”はこれから
ワイドショーや週刊誌が未知なるエピソードを求めて又吉の過去や周辺を探るのはいわば人気の裏返し。又吉自身も「おめでとうと言われすぎて、自意識過剰になっていますね。コンビニで『いらっしゃいませ』と言われて『ありがとう』と言ってしまった」と話していたが、あるネットオークションでは「火花」のサイン本が定価の約30倍の3万5000円に爆騰。時代の寵児となった又吉株は青天井になっている。
スポンサーや関係者の「便乗」も止まらない。同居生活を送っている後輩芸人まで仕事が増え、芸人仲間もイベントに出演するたびに「又吉」というキーワードを報道陣に振られては返すの繰り返し。この日のイベントも、又吉のエッセー9本が掲載されたコーヒーボトルを書店で販売するというもの。企画自体はもちろん芥川賞受賞前で、5月ごろに書いたものだというが、サイン会の抽選券はあっという間になくなり、コーヒーは早くも品薄状態だという。
「火花」の発行元である文芸春秋の鼻息も荒い。受賞後即、増刷に踏み切って現在は120万部を突破しているが、「社長は目指せ200万部と社内にゲキを飛ばしている。ある社員が“それはチャレンジですか?”とちゃかしても目がぜんぜん笑っていなかったそうです」(関係者)。
「火花」を巡る狂奔は、祭りの終わりを告げる花火が上がるまで続く。