斎藤工もハマった 芸人・永野はお笑い界の“危険ドラッグ”
従来は黒一色だった衣装の色もカラッと明るい青と赤の上下にかわり、見た目が華やかになった。そして万人には伝わりづらいマニアックな持ちネタが多い中で、比較的ポップで分かりやすい歌ネタを打ち出していった。
このマイナーチェンジが功を奏して、じわじわと評判は上がった。「アメトーーク!」の「パクりたい-1グランプリ」に出演したあたりから、その勢いは揺るぎないものになってきた。
永野のネタは、絶対に彼にしか考えられないような独自の視点のものが多い。「映画のスパイダーマンを全く見たことがないけどやってみる」「浜辺で九州を一人で守る人」など、ネタのタイトルだけでもその唯一無二の世界観がうかがえるだろう。
そんな永野のネタには、一度ハマったら抜け出せない中毒性がある。お笑いの方程式に縛られず、やりたいことを貫いている永野の芸は、良く言えば最先端のモダンアート、悪く言えば酔っぱらいの悪ふざけだ。陽気な笑顔を振りまき、がむしゃらにはしゃいでみせる永野は、年々中毒者を増やして広がり続けるお笑い界の「危険ドラッグ」だ。
(お笑い評論家・ラリー遠田)