スター私生活切り売りの元祖 「ダウンタウンDX」の功罪
8日、「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)の「放送1000回突破記者会見」が都内のスタジオで行われた。
同番組は先月25日の放送で1000回を突破。バラエティー番組にはほとんど出演しなかった大物俳優たちが明かす意外なプライベートやダウンタウンの2人との軽妙な掛け合いが人気の秘訣で、会見に出席した「ダウンタウン」浜田雅功(53)は「一番怖かったゲスト言おうか? 小林旭。ご機嫌が悪かったのか、もともとああいう人なのか。本番中、急にフリスク食べだして」と振り返ると、松本人志(53)も「ケースがフリスクなだけで、中身はフリスクじゃないと思う」と話して笑いを誘っていた。
■芸能マスコミには大打撃
23年間で多くの企画が放送されたが、「スター赤面白書」や巷のウワサについて話すコーナーは画期的で、ゲストがプライベートで買った物や私服を公開する企画や「視聴者は見た!」は現在も続いている。芸能リポーターの川内天子氏はいう。
「今や芸能人が自ら私生活を明かすのは珍しくないどころか、タレントが目立つ常套手段として確立されています。が、『DX』が始まる以前は芸能人が疑惑やウワサをバラエティー形式であけすけにしゃべるというスタイルはなかった。芸能人にとっては、週刊誌に書かれても1円ももらえないけど、テレビで話せばギャラがもらえる。また、イメージとのギャップが話題になったり、『本人が話している=真実』と視聴者にも信じてもらえるので番組出演は大いにプラスなのです。視聴者以上に芸能人サイドの『しゃべりたい』『主張したい』という需要も多いはず。でも、われわれワイドショーを主戦場とする芸能マスコミにとって、この手のトークバラエティーで何でもペラペラと話されるとニュースに価値がなくなるので商売上がったり。天敵ともいえますね」
1000回突破は大記録だが、芸能人はプライベートの切り売りで神秘のベールを剥ぎ取られ、週刊誌は飯のタネをなくした。