「日本史 敗者の条件」呉座勇一著
「日本史 敗者の条件」呉座勇一著
成功は、偶然や幸運に支えられていただけのことも多い。しかし、敗北や失敗には明確な原因が必ずある。本書は、あえて歴史上の敗者に注目して、彼らがなぜ敗れたのか、失敗したのかを考察する歴史テキスト。
まずは源義経を取り上げる。源平合戦において頼朝は、ほぼ鎌倉におり、戦場で軍を指揮して平家を滅ぼしたのは弟の義経だった。指揮官としては超一流の義経がなぜ最終的に敗者になったのか。その足跡を検証しながら著者は、現代の事例に例えるなら、義経は経営陣の方針を無視して勝手にプロジェクトを進めたり、会社の肩書があるから仕事が出来ていたのに、すべて自分の実力によるものと勘違いしたなど、その敗因を指摘する。
以降、西郷隆盛から山本五十六まで8人の敗者に学ぶ。 (PHP研究所 1100円)