松田聖子カットのサロン倒産 カリスマ美容師ブームの末路
東京・青山や表参道などで美容室を展開していた「HAIR DIMENSION」と関連会社の「ヘアーディメンションホールディングス」が、東京地裁から12日付で破産開始決定を受けていたことが先週明らかになった。
ヘアーディメンションは、75年に設立。80年代の聖子ちゃんカット、2000年代のカリスマ美容師ブームと常に時代を牽引してきた。一時期は藤原紀香、浜崎あゆみなどタレントやモデルがこぞって通い、「料理の鉄人」の美容師版「シザーズリーグ」の放送後は全国から客が殺到、予約のとれない美容室の代名詞となった。
■時代の変化で客単価が半減
そんな超有名店が倒産に追いやられたのは、美容師の独立とトレンドの変化、それに対応できなかった“カリスマ”たちの自業自得という声が上がっている。
「藤原紀香を担当していた宮村浩気、浜崎あゆみを担当し、一時は交際のウワサもあったCHIKAなど看板美容師が次々と独立。その後はスター不在のまま、美容師バブルが終焉を迎え、残った経営陣には金遣いの荒さだけが残ったのです。当時の人たちは高級外車を乗り回し、銀座のクラブで豪遊していましたから、生活レベルを下げられなくなった。ところが、ロングヘアも減り、業界全体でも売上単価は半減。タレントを美容院が丸抱えすることもなくなり、『聖子ちゃんカットに』『紀香と同じに』といったタレントと同じ髪形を望むニーズも減った。独立した宮村氏はパチンコがメーンの企業がスポンサーとして出資しているそうですが、ディメンションはそういった資金背景もなかったようです」(美容ライター)