元「H2O」中沢けんじさん “熊本地震”被災の夜を振り返る
1980年代を代表するアニメソング「想い出がいっぱい」。言わずと知れた、あだち充原作の人気アニメ「みゆき」のエンディング曲だ。歌ったのは中沢堅司(現・けんじ)さん(59歳)、赤塩正樹さん(60)のデュオ「H2O」だが、中沢さんは14年前に東京から熊本県大津町に引っ越し、地元を拠点に活躍中だ。熊本地震から丸1年。当時を振り返ってもらった。
「何の前触れもなかったんですよ。自宅内のスタジオでギターをつま弾きながら曲を作っていたら、突然、地鳴りと共にガタガタッて大きな揺れに襲われました。4月14日21時26分、熊本空港を挟んで南西にある益城町を震源地とするマグニチュード6・5の最初の大地震が起きたんです」
中沢さんの自宅は、熊本市中心街から阿蘇山の方へ約20キロの大津町で、この時は震度5強。震度7の益城町ほど被害は出ず、日付が変わってすぐにも震度5弱の余震があったが、茶碗やグラスがいくつか割れる程度で済んだ。
「それが甘かった。多分、ほかの方々もそうだったと思うのですが、もう大きな地震はないと思って油断してましたね」