元「H2O」中沢けんじさん “熊本地震”被災の夜を振り返る
そして16日深夜1時25分、今度も震源地は益城町だったが、威力を増したマグニチュード7・3の本震が発生。大津町は震度6強の強震だった。
「時間が時間なので当然、寝室にいました。2日前よりも大きい地鳴りがしたかと思ったら、ドスンと家全体を突き上げるような揺れがきて、立っていられない。隣の部屋で寝ていた当時83歳だった義母が『私は大丈夫だから逃げて!』って」
タンスは倒れ、室内は、棚から飛び出した雑誌や食器でグチャグチャ。それをかき分けるようにして義母を助け出し、クルマでコンビニの駐車場に避難した。すると、目の前の交差点にパトカー数台が停車して交通規制を始めた。
「東にわずか5キロほどしか離れてないところで山崩れが起きて、阿蘇大橋が落ちたと言うんです。でも居合わせた人は皆、『あの大きな橋が? ウソだろ?』と」
だが、ラジオのニュースで本当だと知り、熊本県南部の人吉市に住む親友から「こっちは安全だから」と誘われ、夜が明けてから一家3人で避難することにした。