「ヒトラーに屈しなかった国王」監督が語る民主国家の姿
口をぽかんと開けてスクリーンを見上げる人、じっと何かを考えている人、泣いたり、怒っている人もいたという。全米で先行公開された映画「ヒトラーに屈しなかった国王」の観客の反応。泣いている人も怒っている人も、エリック・ポッペ監督(57)が感想を聞くとこう言ったという。
「なぜこの国のリーダーがトランプなんだ!」
第2時世界大戦中のノルウェーで、ナチスドイツに本土を侵攻され、降伏を迫られた国王ホーコン7世が、重大な決断を下すまでの実話を映画化したポッペ監督が来日、日刊ゲンダイのインタビューに答えた。
――作品が世界各国でさまざまな反響を巻き起こしている理由はどこにあると。
「もともとはノルウェー国内のみの上映を想定して製作したんです。公約を平然と破り、そのことを質問しても言い逃れたりして責任を取らない政治家が少なくない中、国の礎を築いた国王がいて、その歴史の上に今の私たちがいるということを見直したかった。どの国の観客も、民主主義のリーダーとは祖国と国民に仕えるもので、国の行く末も国民の総意で決まるのだという根本を思い出して、現状を考えるきっかけにしてくれているのだと思います。半ば予想していたのですが、それを上回る反響に驚いています」