可愛い“宝物”は24歳に…「孫」がヒットの大泉逸郎さんは今
さて、河北町に生まれた大泉さんは、20代からアマチュア民謡歌手として一目置かれ、77年には東北・北海道民謡大賞、80年には日本民謡協会の総理大臣賞を受賞した実力派。
そして94年に初孫の慎太郎君が誕生。うれしさのあまり、すぐに山形の民謡愛好家サークル「みちのく演歌連盟」仲間の荒木良治氏(昨年5月、老衰のため死去、享年92)に作詞を依頼した。
「3日ほどして『できた!』って持ってきてくれたのが『孫』。これがまたいい詞じゃないの。『もみじみたいな小さな手』なんて、そうそう出てこないよ」
当初は自主制作。だが、公演後に即売すれば、どこでも完売した。そしてテイチクレコードと契約し、メジャー発売されたのは99年4月。たちまちダブルミリオンの大ヒットとなった。
「翌年、58歳にしてNHK紅白に初出場できたんだから、周囲以上に、僕と荒木さんが『おったまげたなあ』ってビックリだよ。アハハハ」
あまりにも知名度が上がったため、ファンレター伝説が生まれた。