経済効果は1000億円超 安室奈美恵セルフプロデュース戦略
このすごさは、すべて安室のセルフプロデュースの力が大きいと言える。僕は1度だけ安室の会見に行ったことがある。まだ安室が20歳になった頃のことだが、当時、彼女が所属していたのは大手の力のあるプロダクションで、何かしらの取材規制があるかと思ったが、「何を尋ねても本人が答える」と事務所スタッフに言われ、安室も自然体で受け答えしていたことを覚えている。ところが、その後の安室はコンサートでトークなし、歌とダンスで勝負という形をつくり、テレビ番組にも出なくなった。話をしないことで余計な情報を与えない戦略に切り替えたわけだ。
これはすべて安室の意思だと思う。以前、彼女のマネジメントにかかわった人物によると、「超わがままと言いたいくらい、連絡を入れても、必要なしと思えば折り返しの連絡もない」と苦労していたことを明かしてくれた。いい意味でワンマンと言える。
40歳になったら引退しようと考えていたことを実行した今回も彼女の意思なら、ファンを飢えさせる彼女の作戦も奏功した。常にチケットが足りないコンサートの上、最後なら何がなんでも……という気にさせて、ファンは走りまくることになったわけだ。
安室、見事というほかはない。