魔性の女が復活…「あな渡」は“荻野目慶子劇場”と化した
「オジサンとオバサンのドロ沼不倫ドラマだけど、突き抜けていて面白い」(テレビ誌ライター)と業界内でも評判なのが、テレビ朝日系の土曜ナイトドラマ「あなたには渡さない」(夜11時15分)だ。
木村佳乃(42)演じる主人公・通子が、「ご主人をいただきにまいりました」と突如現れる水野美紀(44)演じる夫の愛人・多衣と対決する。愛憎入り乱れたドロドロの不倫ドラマ。
登場する女性の多くが愛人で、80年代に流行した大映ドラマを彷彿させる大げさなナレーション、「クサイ」ととられかねないような役者陣の独特のセリフ回しや仕草、インパクト大のセリフの数々……どれをとっても時代に逆らうかのような作り方なのだが、一度観たら忘れられない濃厚さだ。大真面目に熱演する役者陣の中でも、ひときわ目立つのは、木村が経営する高級料亭の女将代理を演じる荻野目慶子(54)だろう。
ライターでドラマウオッチャーでもある源祥子氏がこう言う。
「隠しても隠してもにじみ出てしまうような、女の業を演じさせたら天下一品の荻野目さん。このドラマでも、回を重ねるごとに見せ場が増えているように思えます。12月1日の放送回では、愛人を刺し、血だらけの手で料亭に駆け込んで来るのですが、よろけ方、転び方が『コント?』と思うほどにキテレツな演技で、思わず笑ってしまいました。おかげでその後のストーリーがよく頭に入らなかったほど。もはや"荻野目劇場"と化しています」