NHK“常時同時配信”19年度開始 独り勝ちで民放は全滅の危機
「一部の地方局、いやキー局でさえも安穏としていられない緊急事態だ。デジタル化以上の大きな改革の波がテレビ界に押し寄せてくる。今後は破綻やM&Aなどの経営危機に瀕するテレビ局が続出するだろう。まさにパンドラの箱が開いたに等しい」(民放キー局編成マン)
政府は参院本会議で先月29日、NHKのテレビ番組を放送と同時にインターネットに流す「常時同時配信」を可能にする改正放送法を可決した。2019年度中にもサービスが開始され、パソコンやスマートフォンでリアルタイムでNHKの番組を視聴できるようになるという。今回の法案可決を受けテレビ界で叫ばれているのがNHKの独り勝ち時代の到来だ。
「日本民間放送連盟(民放連)は今のところ、地上波とネットの常時同時配信を実施する動きを見せていない。結果、NHKだけが実施することでネットにおける同局の存在意義が高まり、将来的に数あるメディアの中でNHKだけが甘い汁を吸える可能性が出てきたんです」(民放連幹部)
NHKにとって常時同時配信は、2010年にこの経営方針を表明して以来、悲願といっても過言ではない。そもそも民放連はなぜ、同時放送に後ろ向きなのか。