娘「在籍当時は全員がライバルでしたが今はとても仲良し」
「私の頃も榛名由梨(元花・月組男役トップ)は何でもできた。大滝子(元月組男役トップ)も初めからスターでした。一方、私はドジで、宝塚を退団してすぐは電車の乗り方すら知らなかったほど。千代田線から丸ノ内線に乗り換える際も改札を出てからまた切符を買って乗っていたものです」
お嬢さま育ちのお母さんの下、幼くして父を病気で亡くし、母子家庭で育った北嶋さんだが、友人に対する思いは強かった。通っていた学習塾ではあまりに“賑やか”すぎ、塾の講師から「家庭教師に教えてもらった方がいい」と説教されたこともあるという。
「宝塚という場所は間違いなく自分の人生を変えてくれました。困難が立ちふさがり、それを乗り越えたからこそ人間性も鍛えられる。在籍している時は全員がライバルですので、同期も含め切磋琢磨もありました。ただ、いざ退団してみると厳しかった記憶がいい思い出に変わるもの。ですから辞めてとても仲が良くなるのです。そのOGたちと一緒の舞台に立てることも幸せです」
■宝塚OGと9月に共演
北嶋さんは9月6日に始まる「清水次郎長伝」(三越劇場)で、宝塚の大先輩である瀬戸内美八をはじめ、水乃亮、麗たまき、雅景、真山葉瑠、初嶺麿代ら宝塚OGの先輩や後輩たちと共演する。