土橋正幸がエースの軟式野球「フランス座チーム」で一員に

公開日: 更新日:

井上ひさし編

 直木賞受賞作家として活躍した井上ひさしも、かつては座付き作家だった。1950年代、上智大学仏語科の学生だった井上は初めて浅草フランス座を訪れた。劇場側も芝居に力を入れていたころ。大道具や背景も本格的なつくりで、文芸部に所属する座付き作家が脚本を書いた。井上は、その募集を見て応募してきたという。

「地元が同じ山形県の俳優・伴淳三郎さんが働いた小屋だってことで訪ねてきた。『大学に行っても勉強にならないから働きたい』ってね。だけど経験はないし、『舞台の裏の進行係や雑用で使ってやるよ』ということになったんだ」

 進行係として採用された井上は、ガリ版(鉄製のやすり版)を掘って、文字を書いていく。

「作家から上がってくる原稿を急いで書いて、舞台で待つ役者のもとに持って行く仕事です。ところが作家によっては原稿が遅い。稽古が始まってもまだ書いているから、大変だったよ。井上さんはまじめに自分の仕事をこなしていたね」

 そのうち台本を書くようになり、大学卒業(60年)からしばらく経った64年にテレビの人形劇「ひょっこりひょうたん島」の脚本で一躍有名となる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に