20年後のアナゴさん役オファーで苦悩「あの唇どうしよう」
今年の10月でアニメ放送50周年を迎えた「サザエさん」(ギネス世界記録更新)。それを記念して制作されたSPドラマ「磯野家の人々~20年後のサザエさん~」にて20年後のアナゴさんを演じました、小手伸也です。
正直、なぜ僕が? はたして僕で良いのか? ビジュアルは近づけるのか? 単純に20年で中年太りしたとすればなんとなく腑に落ちる範疇か? あと唇どうしよう? などとオファーをいただいた後もいろいろ考えてました(何せ誰もが知ってるキャラクターですし)。
ただ今作を演出した鈴木雅之監督の「全体としてモノマネやコスプレをしたいわけじゃないので(笑い)」というお言葉で、演じ手として本来の役作りに立ち返ることができ、ビジュアル的にはやや唇をとがらせる程度に留めましたが(笑い)、声やしゃべり方については、現在「穴子」の声を担当されている声優の若本規夫さん(昔から大ファンです!)に対するリスペクトと、このドラマを楽しみにされている原作(アニメ)ファンの方々にご納得いただきたい気持ちから、かねて最重要課題だととらえてました。
しかし、アレを実写空間でやってしまうとリアリティーを損なうことは明白(笑い)だったので、まず「ふてぶてしさ」「距離感が近い」といった性格面からアノしゃべり方に至った(結果として若本さんに寄った)という理論的なプロセスで臨んだつもりなんですが……。現場では「今のは寄せ過ぎ」「もう少し寄っても大丈夫」といったシビアな車庫入れのような言葉が飛び交い、マスオさん役の西島秀俊さんに至っては「小手君がそこまで寄せるんだったら僕も『えぇ~』のバリエーション考えないと」と変な刺激を提供してしまう始末(ネットでは寄せ過ぎとの評価)。