横山やすし師匠、あの理不尽な苦痛を俺は一生忘れません!
しかし、やすし師匠のあれだけはギャグでもなければ……そこには怒りしか存在していなかったのだ。話の筋は単純そのもので、ハワイの夕暮れ時のレストランで、たまたまやすし師匠ご一行がディナーのテーブルを囲んでいるのを目にした我々たけし軍団であった。
業界の大先輩を見かけて挨拶もしなかったなんて噂にでもなれば殿(ビートたけし)の顔に泥を塗ることになるので、当然「お食事中、申し訳ありませんが、たけし軍団です!」とみんなで頭を下げたのです。
それに対し、やすし師匠は「おうおう! 兄ちゃんら頑張っとるなァ! 見とるでェ!!」とアルコールも入って上機嫌に会話してくれたのだ。
「兄ちゃん、何ちゅう名や?」「そのまんま東です!」「そのまんまがええなあ!で、兄ちゃんは?」「ハイ、ガダルカナル・タカと言います!」「そうや! インパクトある名やがな!!」
そんな穏やかな空気が軍団各自の名を告げて、最後に俺が当時ダンカンから変わっていた名前を……「ふんころがしと申します!」と言った途端、みるみるうちに師匠の顔が険しくなり、顔色も変わり、「なめとんのかー!! 何や名前?」「ふんころがしです」「しばいたろーか!! 何やて名?」「いや、ふんころがしなんです!」「芸能界におられんようにしたるわー!!」。