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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

「行列の女神」鈴木京香が演じる凄腕コンサルがよく似合う

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 ラーメンは好きだが、行列は苦手だ。それでも時々、「行列のできるラーメン店」に行ってみたいと思うが、コロナ禍でそれもままならない。鈴木京香主演「行列の女神~らーめん才遊記~」で、リモート会議ならぬ、リモート行列を体験だ。

 主人公の芹沢達美(鈴木)は人気店の創業者にしてカリスマ職人。コンサルティング会社「清流企画」を率いて、苦境に立つラーメン店を「行列のできる店」へと再生していくのが仕事だ。

 18日放送(5杯目)はリタイアを考えている老店主の依頼で、街の中華食堂の後継者選びを行った。候補者たちに数日間、実際に店主として働いてもらい、その様子を見て決定するコンペ形式だ。

 3人の候補者は、それぞれキャリアも技量もあるという。しかし芹沢の経験と観察眼は鋭い。料理人としての作法が雑だったり、店主として神経が行き届かない点などを見抜く。選ばれたのは、「店と人(客や近隣)」の両方を把握し、さらに「この味を残したい」という店主夫妻の思いを大切にする男(音尾琢真)だった。

 鈴木京香といえば、昨年秋の「グランメゾン東京」(TBS系)を思い出す。倫子シェフがフレンチから中華に転じたみたいだが、一筋縄ではいかない凄腕コンサルがよく似合う。

 また狂言回しの新人社員役、黒島結菜も健闘している。京香姐さんの指導で、「行列のできる女優」を目指したい。

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