10代にして演技に深み 山田杏奈が醸し出す知的な存在感
……というような印象を山田杏奈の演技に持っていたが、昨年、雑誌「日経エンタテインメント!」の取材で彼女に初めてインタビューして、彼女自身もプライベートでよくカフェに行ってコーヒーをブラックで飲むのが好きだという事実を知った。
女優としては元気で明るい役柄を演じることも多いが、素顔の彼女は落ち着いていて、大人っぽい。取材では、言葉を慎重に選びながら丁寧に答えてくれて、知的な魅力を感じた。
彼女は幼稚園に通っていた頃には図書館に行って好きな本を10冊借りて、あっという間に読んでしまう子供だったという。小さい頃からの読書習慣とさまざまな事柄に対する好奇心が、知的な存在感と演技の深みにつながっている。
小さな喫茶店の片隅で、コーヒーを飲みながら文庫本を読んでいる彼女を想像すると、ハマり過ぎなくらいに、その風景が目に浮かんできそうだ。彼女は、そういうふうに情景の中にたたずむと絵になる存在感を持っている。ゆえに、映画やCMのクリエーターの創作意欲をかきたてる女優だ。
ある映画プロデューサーによると、映画監督との話の中にも彼女の名前がよく出てくるという。女優・山田杏奈がどんな物語を描いていくのか、彼女の未来がとても楽しみだ。(つづく)