素を隠し浮いた存在に…及川光博が守る“父と母”の教え
人は誰に出会い、どのような影響を受けるかが重要だ。とりわけ、芸能人の場合、デビュー当時に出会った人の影響は絶大だろう。及川は「僕にとっては母は美輪明宏、父は忌野清志郎って感じですね(笑)」(ジョイフルタウン「Interview File cast vol.27」03年1月発売)と語る。
「調子に乗りたくない自分が常にある」ため、「勉強を止めたくない」と同世代のミュージシャンと交流するよりも、人間的にも芸術的にもリスペクトしている大先輩と交流を深めた。「自分をあまり過保護にしたくなかった」(同前)のだという。
彼が慕う「母」とは00年に、美輪が主演・演出の舞台「毛皮のマリー」で共演した。そこで及川は美輪から、こう教わった。
「舞台の上で日常生活のオーラをまとったまま出てきちゃダメ。ありのままのあなたに価値はそんなにない。想念のコントロールをなさい。感情を的確にかつテクニカルに表現しなさい。どれだけ心を込めてお芝居してもそれが見る側の人に伝わらなかったら意味がないからテクニックを磨きなさい」(TBS「Mr.スーツマンSHOW」20年7月4日)