わたしの“七味、五悦、三会”は…スマホなしで思い出せる?
皆さんは考える時間をお持ちでしょうか? 私は移動中といえばスマホか日刊ゲンダイがお供ですし、家でもついついテレビだったりスマホで動画を見ていたりとゆっくり何かについて考える時間がないように思います。ただ年末になると私が必ず思い出す言葉がありまして、七味(ひちみ)、五悦(ごえつ)、三会(さんえ)。これは江戸風俗研究家の杉浦日向子さんから聞いた話を鴻上尚史さんのエッセーで紹介してて知りました。
毎年暮れに除夜の鐘を聞きながら家族でその年初めて食べた7つのおいしいもの、5つの楽しかったこと、3つの出会いについて話してそれが全部あったら良い一年だったねぇという江戸時代の庶民の風習だそうです。我が家も除夜の鐘を聞きながらではありませんが年末の恒例行事になっております。そして今回のこのコラムのテーマにするにあたって私の今年一年の七味五悦三会を考えてるんですが……、新しい味っていえば6月に北海道を旅行していろいろ食べたんだよなぁ。何があったっけ? 確かスマホで写真撮ってあるからそれを探して……ってダメダメ! 江戸時代にスマホなんてないんだからちゃんと自力で思い出さないと! えっとータラバガニの内子でしょ、それから山わさびとイカの和えものと……あっ苫小牧でホッキ貝のカレー食べて……。あれっ、出てこない。じゃあ五悦だ。楽しかったこと……。何してたっけ?