内閣記者会は菅政権の広報・宣伝に 元NHK政治部記者も苦言
さらに女性官僚は「なるべく多くご質問を受けるためにお一人一問で」と質問を制限。しばらく経つと「次の日程があるので終了させていただきます」と“強制終了”してしまったから、テレビやネットで生中継を見ていた視聴者が憤るのも無理はない。
■<記者会見を記者クラブが主催するのは重要>
日本新聞協会が公表している「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」によると、<記者クラブは、公権力の行使を監視するとともに、公的機関に真の情報公開を求めていく社会的責務を負っています。クラブ構成員や記者会見出席者は、こうした重要な役割を果たすよう求められます>とあるが、菅首相の年頭会見を見る限り、内閣記者会の記者は「公権力の監視」も「公的機関に真の情報公開を求める」ことも放棄していると言わざるを得ないだろう。
さらに言えば、同協会の見解では<記者クラブが主催して行うものの一つに、記者会見があります。公的機関が主催する会見を一律に否定するものではないが、運営などが公的機関の一方的判断によって左右されてしまう危険性をはらんでいます。その意味で、記者会見を記者クラブが主催するのは重要なことです。記者クラブは国民の知る権利に応えるために、記者会見を取材の場として積極的に活用すべきです>とある。年頭会見が記者クラブの主催とすれば、なぜ、「追加質問するな」などという女性官僚の指示に唯々諾々と従っているのか。