著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

コロナ伝染経路 人間社会すべての偶然はすべて必然なのだ

公開日: 更新日:

 新年早々から脅かされた。公開中の我が映画「無頼」に出ている四百余人の俳優の中で、ヤクザのひとりを演じた中年男優が「今年もよろしくお願いします」の年賀挨拶に続け、「正月3日にコロナで陽性になってしまいました。監督とは去年13日の舞台挨拶からお会いしてませんので濃厚接触はないと思います。もう平熱ですが、横綱の白鵬と同じ症状で、匂いがしないので保健所から言われて自宅で我ながらここは慎んでおります」とご丁寧でファックなLINEをもらった。

「ったく。年末、誰とどこで呑んでたんだ?」と感染の捜査係のように返してやると、「26日に仲間何人かで渋谷の小さな店で飯食って、次の日、彼女とは家で会って……」と。本人は新宿区の保健所から自宅待機を指示されたが、濃厚接触に該当する彼女の住まいは別の区なので、該当保健所への報告まで2日、それから彼女に連絡が届くらしい。彼はそんな役所の伝言ゲームを待たず、すぐ彼女に検査を受けさせたそうだ。「感染が広がるわけだ」と呆れていたら、東京と首都圏は緊急事態宣言ときたもんだ。

 しかし、映画館は開いている。「無頼」もばっちり上映中だ。実は映画館もパチンコ店も空調や換気はしっかりしてるし、上映中にお客は大声を出してしゃべらないし、かまびすしいのは銀幕の画面だけだ。ただ、劇中、ヤクザ2人組が融資を断った銀行にバキュームカーで乗りつけて、ロビーやカウンターに糞尿をぶちまけるクソったれアクション場面(?)があり、ここはどうしてもお客が声を上げて笑ってしまう場面なんだわ。まあ、マスクもしてるし、せっかく初笑いと憂さ晴らしに来てもらってるんだし、こらえてもらうことはないんだが……。でも、なんでオレが観賞指導しなきゃならないんだ。コロナのクソったれめ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  1. 6

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 9

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 10

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ

  2. 7

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  3. 8

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  4. 9

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  5. 10

    芳根京子も2クール連続主演だが…「波うららかに、めおと日和」高橋努も“岡部ママ”でビッグウエーブ到来!