清志郎さんは「ロフトはロックの聖地ですから」と笑った
でも、わたしゃ屋根裏をリスペクトしていた。
どんなに売れないバンドでも、屋根裏は「コイツらには可能性がある」と思ったら、客がいなくても平気な顔をしてライブを続けた。到底、かなわないと思った。
ロフトにはできないことを、ライブハウスにとって大事なことを「愚直にやり続ける」ことのできるハコだった。「ウチはロックの原点を忘れてしまった。エラソーなライブハウスになってしまった」と反省した。そう思いながらも――。
屋根裏に足を運び、モノになりそうなバンドにこっそり声を掛け、内緒でロフトのステージに立たせたこともあった。この際、ゲンダイ紙上で白状しておこう(笑い)。
わたしゃ清志郎さんに久しぶりに会って頭を下げながらこう言った。
「自分のミスでした。本当にごめんなさい」
人柄の良い清志郎さんは笑ってこう言った。
「いいんですよ。何といってもロフトはロックの聖地ですから。今でも」 (この項おわり)