3月に死去したポンタさんはロフト立ち退きに猛反対した
日本ミュージック界のレジェンドが、この世を去ってから1カ月が経過しようとしている。ドラマーの村上“ポンタ”秀一さんが3月9日に死去した。70歳だった。2月8日に自宅で倒れ、入院先の都内の病院で意識が戻らないままの旅立ちだった。それまで変わった様子もなく、元気だったというのに……。抜群のテクニック。多彩にしてダイナミックなパフォーマンス。個人的には<重厚なドラミング>が特徴だったと思っている。1970年半ば以降、ロフトでもライブを何度もやってくれた。合掌――。
出会った頃は、いわゆるフツーのカッコだったし、髪の毛もチャパツじゃなかった。売れてからは随分とオシャレになったし、ド派手なシャツなど好んで着るようになった。ドラムは、あくまでリズム隊として<後方からバンドを支える>という役割を担っている。
ポンタさんなりに「ドラマーのステータスを上げたい」という意識があったんじゃないかな。
ジャンルを選ばない人だった。アイドル歌謡からJポップ、シティ・ポップ、ジャズにフュージョンなど、叩いた曲は1万4000曲以上といわれている。キャンディーズ、ピンク・レディー、井上陽水、郷ひろみ、山下達郎、松田聖子、角松敏生、中森明菜、沢田研二、矢沢永吉、ドリカム……今でも著名ミュージシャンのスタジオ、ライブの音源でポンタさんのドラムを聴くことができる。