著者のコラム一覧
SALLiA歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター

歌って作って踊るスタイルで話題を呼び、「イデア」でUSEN 1位を獲得。2018年より仏像オタクニストの活動を始め、初著「生きるのが苦しいなら」は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。近著に「アラサー女子、悟りのススメ。」(オークラ出版)がある。

進撃の巨人がコロナ禍に完結した意味 絶望を100%描き切る

公開日: 更新日:

鬼滅の刃」「呪術廻戦」など、最近は残酷さを伴う作品が国民的な人気を博すようになったが、その大筋を作ったのは「進撃の巨人」だろう。

 これまでも「寄生獣」などの作品も人気を得ていたが、どちらかというとニッチな層に人気を博しているというイメージだった。

「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」にももちろん残酷なシーンさや絶望感もあるが、それはあくまで「希望」に行きつくまでのファクターであると感じる。

 希望と絶望は対極にあるという見せ方が主流だった中で、純度100%の絶望を真正面から描き切る「進撃の巨人」が登場し、国民的な人気を得たのには正直とても驚いた。

■未知のウイルスによって一変した今の世界

 作中に描かれる巨人は、未知だからこそ、不気味で怖かった。しかし巨人の正体が実は主人公と同じ人間で、巨人が生まれた理由も争いもすべて“人間”が作り出していると知った時、その前提が一気に覆った。

 それを知らないうちは、巨人は忌むべき、憎むべき存在と思っていたが、そんな風に思ってしまっていること自体が、この作品に登場する"争い"の火種そのものなのだと実感させられた。未知だからこそ、何の疑問もなく"憎んだり""恨んだり"できていたのだと、そういう愚かさをこの作品によって教えられた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」