ビートたけしが菅政権に大苦言「五輪強行は晩年の日本兵」

公開日: 更新日:

 タレントのビートたけし(74)が13日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)で、東京五輪開催の強行姿勢を崩さない菅政権に苦言を呈した。

 番組では五輪の開催意義について、菅総理が9日の党首討論で、「世界が新型コロナという困難に立ち向かい団結して乗り越えられた」と発言したことに対し、たけしは色をなして、「晩年の日本兵みたいなもんじぇねえか。第2次大戦で失敗した原因が、(負けている状況でも)『まだ勝ってる』って言ってたんだから」と切り捨てた。

 これに対し、ネットのコメント欄は、「本当にそう思う! トップの保身と欺瞞及び視野の狭さから『いつか通った道』を再び通ろうとしている」「仮に五輪開催強行のせいで新たに感染が拡大したら開催を主導した物達はどの様に責任を取るのか(原文ママ)」「インパール作戦を思い出しました」などと、発言を支持する声であふれた。

 あくまで“開催ありき”で、戦時下のごとく、専門家の声や民意を完全無視して、何の具体策もないまま「安全安心な開催を目指す」のお題目一つで遮二無二に開催にひた走る日本政府に対し、一石を投じた格好だ。

「やらないほうがいいに決まってる」

 たけしはもともと、週刊ポストの連載をまとめた自書「コロナとバカ」(小学館)でも、「コロナの効果的な感染防止策は、だいたい経済に大打撃を与えるから言い出せない。感染拡大のリスクを考えたら東京五輪なんてやらないほうがいいに決まってるのに、政府はなかなかそうは言えない」と書いている“五輪懐疑派”だった。

 日刊ゲンダイは、たけしが米ニュースサイト「デイリー・ビースト」(5月18日配信)の取材を受け、開催強行に疑問を投げかける発言をしていたことも報じた。そこでたけしは、〈都は大会に500人の医療関係者の派遣を求めている。そうなると、一般患者を治療する医療関係者が足りなくなる〉〈選手には申し訳ないし、一生懸命やってきたのも分かるけれど、東京五輪は平等で友好的であるはず。(選手だけでなく)あらゆる人の命も大事〉などとコメントしているが、レギュラー出演する「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)も含め、地上波で五輪強行についてここまで突っ込んだ発言をしたのは初めて。芸能文化評論家の肥留間正明氏はこう話す。

「たけしの言う通りですよ。もう取り返しのつかないところまで来てしまった。専門家の指摘通り、ワクチンの効果は間に合いそうにもなく、これから五輪開催の最中に、変異株による第5波が東京大空襲や原爆のように襲ってきて敗北を迎えることになるでしょう。五輪開催中に『緊急事態宣言』は出せないはずですから“無条件降伏”でバンザイするしかなくなるかもしれない。タレントがスポンサーやテレビに縛られて政治的な発言ができない時代は変わりつつあるが、影響力のあるたけしには、もっと早くこうしたことを言ってほしかった。むしろ、今までハッキリ言わなかったほうがおかしいと思います」

 五輪開催まで40日を切った日本にとって、“その日”は確実に近づいている。 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース