<31>早貴被告の「看護師のお姉さんと2人暮らし」に違和感
早貴被告が住んでいた「抜弁天」は歌舞伎町まで徒歩15分程度という場所で、地下鉄が通って道路も新しくなり、すっかり便利になった。仕事でも移動は自家用車の私は、新宿方向から飯田橋方面や早稲田方面に向かう際に通ることが多かった。
「家賃は高いでしょ」
「高いですけど、姉と一緒に住んでいますから」
「あのね、お姉さんは看護師さんで、早貴さんはモデルさんというワケや」
野崎幸助さんが会話に割り込んできた。彼は亡くなるまで早貴被告のことをちゃん付けせずにさん付けで呼んでいた。
「あの女」
そう呼ぶのは愚痴を言うときだった。
看護師さんがどのくらい給料をもらうのか分からないが、新宿区内のど真ん中のマンションに姉妹で暮らすことはできるのだろうか? 以前にドン・ファンから早貴の住所を聞いてすぐにグーグルマップで確認をしたが、ワンルームでも15万円ぐらいはしそうな物件だった。2人が住む間取りとなると、そう簡単には暮らせないだろう。