<30>早貴被告は会話の輪に加わらずひたすらタブレットでゲーム
野崎幸助さんの妹のHさんは、趣味の登山で滑落して骨折し、杖をつきながら歩いていた。
「そりゃあ大変でしたね」
「娘からは無理をするなって怒られてね」
Hさんの旦那さんはすでに亡くなり、娘さんは嫁いでいた。今は一人暮らしで、自由を謳歌しているという。
テーブルを囲んで4人いるが、早貴被告が会話に加わることはなかった。どうやらタブレットPCでゲームをしているようだった。失礼な態度だと思ったが、注意をする気にもならない。
妹さんを入れてドン・ファンと早貴被告の写真を何枚か撮ったが、今度は早貴被告も「NGなので」とは断らなかった。この時に撮影した写真は「紀州のドン・ファン 野望篇」の表紙を飾っている。妹さんの部分はトリミングをして消し、早貴被告の顔にボカシを入れた。
「キミはどこの出身なの?」
以前にドン・ファンから聞いていたが、知らないフリをした。