コロナ禍で白紙に…名ドラマー山木秀夫氏が明かすミュージシャンの厳しい現実
山木氏自身も大きな収入源を失ったが、仕事がなくなったことで農家に転身したプロのミュージシャンもいるという。
「観客を入れるライブエンタメの中でも、音楽が不要不急のものとされてしまっているのが残念です。ライブには数えきれないほどのスタッフが関わっているだけに、多くの人の生活を直撃しています」
ライブエンタメ業界の従事者は全国に60万人超ともいわれるが、飲食店のように協力金は支給されていない。
山木氏は運営するドラムスクールでの指導のほか、68歳の今も自らのドラムの腕を磨くため練習に励む日々だという。
「僕には人に教えられる機会があるので、音楽家としての気持ちを何とか維持できています。ミュージシャンは音楽で多くの人に幸せな気持ちになってもらいたいという生き物です。だから、僕みたいに練習に励む人もいれば、作品づくりに没頭する人も多いと思います。それだけに、アフターコロナで多くの観客を前に再びライブが開催できれば、ミュージシャンはより素晴らしいパフォーマンスを見せてくれると思います」
ライブだけでなく、昨今、拠点を置いている米ニューヨークへの渡航を切望しているという。