「唄子・啓助」の夫婦漫才で一世を風靡…京唄子師匠に感じた強く深い“漫才愛”
「書いてますか?」ではなく「書いてくれてますか?」という言葉に、漫才への強く深い愛情を感じました。
何度目かの番組終わりに、漫才はどういう稽古をされていたのか伺うと「ウチはお芝居(女剣劇出身)やったから、漫才は知ってるけどやり方は知りませんから、最初は啓ちゃん(啓助師匠)の言われるままによう稽古しましたよ。あの男は女には手早いけど、台本書くのん遅かったんですよ。大げさやなしに新作する時は楽屋で出番が来るまで(台本)書いてて、一枚書いたらウチに渡してくるんですよ」「それを覚えてやられてたんですか?」「そうですねん! アイツ(啓助師匠)は頭の中で話ができてるからええけど、ウチは初めて見るんやさかい(覚えるのは)大変でした! ひどい時は出番が来ても最後まで書けてないから、どんなオチかわからへんねんもん! それに走り書きやから読みにくい読みにくい!」とボヤキながらも懐かしそうに話され「それでも舞台に出たら、いつものようにやってるように見せなあかんでしょう。次何を言うてくるんかわからへんから、一言も聞き漏らされへん。内心ほんまにドキドキしながらやってましたね~。ようやってたわ、あんな怖いこと! むちゃしょんで、あのエロがっぱ!(啓助師匠の愛称)」と涙もろい唄子師匠は目を潤ませながら大笑い。