(4)野際陽子とのなれ初めは「キイハンター」での共演
「キイハンター」の大きな売りは派手なアクションシーンだったが、もう一つは個性豊かなメンバーによるユーモアたっぷりの会話と抜群のチームワークだった。
主要メンバーはリーダー(丹波哲郎)、元新聞記者(私)、元フランス諜報部員(野際陽子)、元FBI秘密捜査官(川口浩)、車の運転が得意な熱血漢(谷隼人)、記憶の天才(大川栄子)の6人。
ニックネームは私が考えた。丹波さんは「ボス」、若い谷隼人は「ボーヤ」、年上の野際陽子ちゃんは「姉御」といった具合だ。こうしたメンバーが窮地に陥っても軽口を叩き、丁々発止のやりとりをするのである。これが視聴者に大いにウケた。
私も自分のキャラクターを膨らませるために、さまざまなアイデアを出した。たとえば、仲間を助けた際「俺が来なかったら、あの世行きだぜ」というセリフを、あえてオネエ言葉に言い換えた。
「僕が来なけりゃ、あの世行きヨ~」
当初はツンと澄まして目も合わせなかった陽子ちゃんも、撮影が始まると、すっかり豹変。役者としての勘が抜群で、アドリブにも臨機応変に対応した。危険に遭遇し、「大丈夫だ。行こう」と私が声を掛けるシーンも、彼女と演じるとこうなった。