“超売れっ子”広瀬アリスの休養宣言が意味するもの…私生活と健康を犠牲する時代の終焉
「しっかり充電して元気になって戻ってきます」
広瀬すず(23)の姉で女優の広瀬アリス(27)はSNSにそう書いて、芸能活動休止を発表した。
体調不良のため、今秋に出演予定だった舞台「薔薇とサムライ2─海賊女王の帰還─」の降板を発表したのに続いての決断。広瀬は「どうやらちょこっとお休みが必要のようです。自分の身体は丈夫だから合間に寝れば大丈夫!と過信していました」などと打ち明け、限界寸前まで頑張っていたことを示唆した。ネットには「ゆっくり休養して」などと広瀬を気づかい応援するコメントが続いているが、芸能プロ幹部はこう言う。
「休養宣言は引退と同じくらいの覚悟や勇気があってのものだったのではないでしょうか。つらいのを押して頑張り、それこそ点滴を打ったりしても休まず、努めて元気な笑顔を振りまくのが女優や女性タレントとされたもの。それでかつては睡眠時間まで削り、まさしく寝る間も惜しんで仕事にまい進するのが当然のように見られたものでした。なぜならば、生き馬の目を抜く芸能界、休めば復帰後に居場所はないのが不文律でしたからね」
そういう苦しさ、怖さ、スタッフらに迷惑を掛けたくないという責任感もあったのだろう、広瀬は現在出演中のフジ系ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」、日テレ系「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~」について「最後まできちんとやり切ります」と、書いている。
「どれだけ頑張っても売れるか分からない。売れれば売れたで、いろんなものを背負いこみ、さらに頑張らなければならないのが芸能界。広瀬さんも妹すずさんに追い付き、追い越せとばかりに周りに期待されていましたからね。本当はすぐにでも休みたいのに休めない事情もあるのでしょうね」と制作会社プロデューサーはおもんぱかる。
かつては“体調不良でも仕事”が美談だったが…
かつて映画は銀幕と呼ばれ、そこに出演するスターは一般人とは隔絶した世界の存在であった。松田聖子や中森明菜らの活躍した80年代アイドルの時代もそれを受け継ぎ、現在に至る。
浮世離れした世界だからこそ、私生活も犠牲にし、あるいは芸能マスコミの標的とされても、どこ吹く風とステージに立つのが当然だし、また、美談として語られてきた。
「表舞台から遠ざかり、それでも忘れられず、長く愛され続けている中森明菜はそうした業界の犠牲者という見方もできます。広瀬アリスやその関係者の判断は過去の先輩芸能人たちの失敗や苦労を踏まえているようにも見えますね。封建的な芸能界ですが、時代は変わりました」と前出の芸能プロ幹部は続けた。
芸能界のトップランナーのひとりである広瀬アリスの休養宣言。その意味は重い。