佐藤正宏さんは大の日本酒好き…酒との距離が近かった山形時代、30年通う居酒屋のエピソード
カウンターに座ると女将さんが「あの朝、オヤジが逝っちゃったこと話してごめんね。佐藤さんの顔見たら言いたくなっちゃった。この話、終わり。何飲む?」とそれ以来いっさい旦那さんの話には触れず、1人で店を開けてました。僕は「すごいなあ」と思いました。その後は娘さんと店を続けて。
常連には僕より年上で1人暮らししている男性が多いけど、すごいのは女将さんは3人の1人暮らしの常連客の葬式を出してあげたことです。常連客も女将さんを信頼して死んだあとのことを頼んでいたらしい。
一昨年に女将さんが亡くなり、今は娘さんが1人で店をやっています。一昨年のコロナ禍からまったく行けず、この前久しぶりに行った時は楽しくて「こういう店は必要だよなあ」と改めて思いました。家でもない仕事場でもない、もう一つの落ち着く場所。
コロナ禍で居酒屋や飲み屋さんが大変な立場になってしまったから「自分のもう一つの居場所」の小さい飲み屋さんに行ってあげるのもいいんじゃないかなあと思います。「すみれ」も今のご時世で頑張ってます。