安倍元首相銃撃事件めぐるTV各局大騒乱の顛末 NHKvs民放の構図、コメンテーター奪い合い

公開日: 更新日:

フジは12時間連続で緊急放送

 圧倒的なマンパワーを背景に、物量戦で報道番組を構成したNHKに対して、地震発生時などの緊急対応チームで対応したのが民放各局だった。

「民放は基本、関西地方のネット局と連動しながら取材攻勢を展開した。それでも奈良県のネット局には圧倒的に記者やカメラマンの数が足りないため警視庁詰めの遊軍記者らがこぞって奈良に入ったんです」(民放関係者)

 さらに、安倍元首相死亡の情報が入ると、テレ東を除く民放キー局は通常放送をすっ飛ばして緊急報道番組を編成することを決断した。

テレビ朝日は、『ザワつく!金曜日』に代わり『報道ステーション』、TBSは『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』やドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』を中断して『報道特番』を、日本テレビも『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』を休止し、報道特番『NNN news every.特別版』をそれぞれ特別編成した」(前出の民放関係者)

 なかでも12時間以上にわたって安倍元首相銃撃事件を報じたのがフジテレビだった。

「『ポップUP!』放送中の正午に映像を報道センターに切り替え、特番『ライブニュース イット!』を午後9時まで放送。その後、『Live News α』を放送する。民放のなかでダントツの放送時間だった。フジは今後、事件・事故などが発生した場合は特番編成をしていく報道に強い局を目指すそうです」(フジテレビ関係者)

 そうしたなか各局が争奪戦を展開したのが安倍元首相暗殺事件について語れるコメンテーターだった。

「銃器評論家の津田哲也氏、元埼玉県警の佐々木成三氏、元警視庁特殊部隊の伊藤鋼一氏らです。いつもの元刑事ではこの種の事件について語っても説得力がありません。だから短時間で奪い合いになった。なかにはホテルまで用意して囲い込んだ局もありました」(事情通)

 前代未聞の事件を前にテレビ局の日頃の取材体制と総合力が発揮された一日となった。 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差