S・スタローンは25年連れ添った妻から三くだり半…「禍福は糾える縄の如し」
■「ロッキーvsドラゴ」は高評価
この“シン・ロッキー”が、「トップガン マーヴェリック」など折からの“80年代映画リバイバルブーム”にうまく乗ったか、往年のファンからの評判がすこぶるいい。SNS上では、「これぞスタローンが本当に見せたかった真のロッキー4」「アポロやドラゴがオリジナルよりも掘り下げられ、人間関係により深みを感じた」などと絶賛されている。好評を受け、新宿ピカデリーでは1週間の予定だった上映がもう1週間延長となった。
若いカミさんから見捨てられる憂き目に遭いながら、過去の作品の再編集版は異例のヒット。映画批評家の前田有一氏はこう話す。
「『ロッキー』シリーズはスタローン自身の人生とシンクロする部分も多く、彼にとっても特別な作品だと思います。無名の俳優から一気にスターダムに駆け上がった第1作に始まり、『ロッキー4』では、新たな妻であるブリジット・ニールセンを出演させたり、ロッキーが後進を育てる役に回った『クリード チャンプを継ぐ男』には、その3年前に36歳の若さで急逝した息子・セイジへの思いが色濃く反映されています。今回、肉体的、精神的に最盛期だったころの作品を再構築して高評価を得ているところに、オシドリ夫婦といわれていた奥さんから突然、離婚を突き付けられてしまうとは……なんとも因果なことです」
まさに「禍福は糾える縄の如し」。また新たなロッキーの新作が生まれるかも知れない。