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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

伊集院光が独自の思考で深く探求する「無知との遭遇」

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 伊集院はクイズにも、「つまんないクイズ」と「おもしろいクイズ」があると語っている。伊集院にとっての「つまんないクイズ」は「人が覚えてないようなことを覚えてるクイズ」、つまり知識を競うクイズだ。これには何の興味もないという。逆に「考えたらわかるのかもしれないと思いながら考えてる時間が、僕の中でのクイズの楽しさ」(NHK・Eテレ「100分de名著」21年3月22日)だという。

 学歴コンプレックスのある伊集院は高学歴の人には負けたくない。けれど、いわゆる勉強の知識では勝てない。ならばどうするか。「大卒の人が知らないようなことを知ってないとカッコ悪い」(テレビ東京系「チマタの噺」20年7月21日)と思っているから、普通は勉強しないようなどうでもいいような知識をたくさん吸収するのだ。

 その結果、月曜から曜日を英語で書くことはできなくても、誰も知らないような雑学を知っている。

 伊集院は前出の「100分de名著」という番組で普段、大学生などの高いレベルで知的交流をしている講師に、突拍子もないような質問や持論をぶつける。すると、講師が「初めて聞いた解釈」だと目の色を変え、時に「この解釈で論文が1本書けるかもしれない」と言う人まで現れる。それを伊集院は自著の中で「無知との遭遇」と呼ぶのだ(KADOKAWA「名著の話 僕とカフカのひきこもり」22年2月16日発売)。

 自分の「無知」を自覚しながら、普通では見過ごされがちなものに興味を持ち、独自の思考で深く探究していく。きっと、自分自身の脳内でも「無知との遭遇」が起こり続けているのだろう。だからこそ、思いもよらぬ発想でクイズを答えることができるのだ。

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