東出昌大「三好達治が別れた妻子に仕送りしたかった気持ちは、もちろんボクには分かる」

公開日: 更新日:

東出昌大(俳優)

 ついに本格復帰に向けて動きだした。2年前、女優・杏(36)との間に3人の幼子がいながら若手女優との不倫を報じられ、激しいバッシングにさらされた。その後、離婚。当時について「あの時は本当にグチャグチャでした。家族や仕事、身近な信頼関係が眼の前で崩れていく。(略)僕は全国民に嫌われてるんだと考えてました。とにかく、しんどかったです」(週刊文春CINEMA! 2022秋号)と振り返っている。何かと話題になる中、主演映画2作品の公開が迫る。ひとつが9日公開の「天上の花」。私生活とリンクする主人公の詩人・三好達治を演じている。

 ◇  ◇  ◇

 ──萩原朔太郎の娘、萩原葉子の同名小説を映画化した「天上の花」では戦争の時代に翻弄され、詩と愛に葛藤し、懸命に生きた人々の姿が描かれています。その一方で、三好達治が長い片思いの末に、思いを遂げた朔太郎の妹・慶子(入山法子)を激しく殴るDVシーンも話題です。

 ボクは脚本家の荒井晴彦さんのファンで、荒井さんが今作の脚本に入っていると聞き、二つ返事で仕事を引き受けました。ただ、DVシーンは初挑戦。女性を殴るということについて突き詰めて考えると、胸がギュッと締め付けられたような感じになりました。結構きつい役でしたね。

 ──入山法子さん、有森也実さんとの激しい濡れ場もあります。

 セクシャリティーな描写がある作品にはこれまでも出たことがあったので、そんなに抵抗はありませんでした。

 ──東京に空襲が迫りくる中で、身を隠すように慶子と雪深い越前三国にひっそり新居を構えて生活する場面が出てきます。最近話題の、東出さんの“山ごもり生活”と通じるものがありそうですね。関東近郊の山あいで狩猟をしながら暮らしていると伝えられました。

 ガスもなく、お風呂もない山小屋に山の水を引いて住んでいます。ちょっとした電気はあるんですが、なるべく電気に頼らないようにしています。近くで採った山菜を食べたり、野菜を自分で育てたり。ショウガやニンニクなどは農協の直売所で購入しています。ボクが狩猟で狙うのは主に鹿です。“単独忍び”という1人で狩りをするスタイルで、仕留めた獣は自分でさばきます。命をいただくわけですから、過剰な殺生はしません。

■ヘビを食べると体に力がみなぎる

 ──ヘビも食べると聞きました。

 ヘビは山中で野営している時に食べます。よく食べるのはマムシ、シマヘビ、ヤマカガシ、アオダイショウ。丸焼きにしたり、揚げたり、汁の具にして食べます。ヘビ肉は鶏と魚の間みたいな食感なんですが、骨が硬く、しっかり揚げると魚の骨せんべいみたい。よく煮ると肉がほろほろと崩れます。昔から言われているように、ヘビは食べると元気になります。体に力がみなぎる感覚を覚えます。

 ──携帯電話は常に圏外だそうですね。

 電波が届かない場所なのでネットもつながりません。仕事で連絡をする時にWi-Fiが飛んでいる場所に行ったり、里の温泉に行った時に携帯電話を見たりしています。たぶん100年前の山の人に近いプリミティブな生活なんじゃないかと思います。人が生きていくのに必要なものは、必ずしもお金だけではなく、健康な肉体や知識だと最近思いました。本来、動物って、食べること、食べられないこと、子孫を残すこと、この3つだけで生きている。ボクもそういうものに少しでも近づきたいと思いながら、ボチボチと生きています。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 4

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  5. 5

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  1. 6

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  4. 9

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  5. 10

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…