NHK新会長に託された「紅白歌合戦」の命運…視聴率歴代ワースト2で局内外に大きな波紋
■Z世代の取り込みをはかったが…
NHKがここまで出演歌手を偏向して選抜した理由は実に分かりやすい。NHK受信料の次の担い手となるZ世代(90年代後半から2000年代初頭に生まれた世代)の取り込みだ。
「今年度から制作予算を削減され、受信料の値下げにも踏み切る。現在のままだと制作体制に破綻が生じかねないんです」(前出の関係者)
NHKがなりふり構わずZ世代の獲得に走った理由はもう一つあるようだ。今月24日付で任期満了となる前田晃伸会長の後任に抜擢された日銀の元理事の稲葉延雄氏の存在を意識したからだという。
「日銀の元理事で、現在、リコー経済社会研究所の参与を務める稲葉氏はコストカッターとして知られています。当然、紅白は数字が取れない以上、番組縮小や制作費カットを余儀なくされる。ただ、稲葉氏は経営者としてかねて若い世代と向き合うことを部下らに命じ、マーケティングでも若い世代、なかでもZ世代の取り込みを指示していたんです。仮に視聴率が取れなくてもNHK紅白関係者としては、一応、やるべきことはやったとアピールしたい。そのためにZ世代を意識したキャスティングに気合を入れたと囁かれているんです」(事情通)
その真偽はともかく、今年3月には稲葉新会長の前でスタッフによる「紅白歌合戦」の総括が行われるという。
紅白の運命は稲葉新会長の考え次第のようで。