お笑い界は「ツッコミ芸人」全盛時代! ダウンタウン浜田雅功の“革命”が関東芸人に浸透するまで
面白い反応を示すリアクター
2000年前後になると、三村とは真逆とも言える個性のおぎやはぎ・矢作兼が台頭。関東でも強めのツッコミが主流だった中、矢作はなだめるようなトーンと言い回しでひときわ異彩を放った。
前述の「笑いの正体──」の中で銀シャリ・橋本直は、矢作やバイきんぐ・小峠英二を例に挙げ、「理由なきツッコミはされてない」と語っている。これに加えて、役割としてのツッコミではなく、「身の丈に合うスタンスをツッコミに投じた」点が画期的だったように思う。
また、「ツッコミは面白い反応を示すリアクターでもある」という見方は、さまぁ~ず・三村、おぎやはぎ・矢作らを経て徐々に露呈していった部分ではないだろうか。
2015年に「M-1グランプリ」が復活して以降は、ツッコミで個性を出すコンビが続々と現れた。
ミルクボーイ・内海崇、ウエストランド・井口浩之ら、ツッコミで笑わせる昨今の傾向を含め、今後さらなる進化を遂げていくことが想像される。
(お笑い研究家・鈴木旭)