かつて局アナは花形職だったが…次々と転職する姿にテレビ業界の衰退を見た
日本テレビの篠原光アナウンサー(28)が3月いっぱいで退社し、「eスポーツ」(電子ゲーム)のキャスターに転身すると聞いて驚いた。
まだ20代、まだ若手の男性アナ。帯番組などにレギュラー出演して、これから看板アナになろうかというところのはず。が、考えているうちに、これはテレビ局のアナ職が魅力的な仕事でなくなってしまったのだと気が付いた。いや、テレビだけの仕事は……と言い換えてもいいようにも思う。
もう十数年前にもなるが、ある在京キー局のトップが社員全員の前で「テレビ業界は衰退産業だ」と言い放ち、そこで仕事をしていた僕はショックを受けたが、その通りになっている。それはアナウンサーの世界でも同様だということだろう。
こちらは10年近く前、地方局のベテランアナから「アナウンサー募集で以前ほど人が希望してこなくなった」と聞いたことがある。昔は局アナといえば花形の職業で、稼ぎもよく、採用試験には希望者が殺到したものだが、この頃から変わってしまっていた。もちろん、今でも優秀な人材で入社する人もいるのだが、“狭き門”というイメージはなくなっている。それはキー局も例外ではない。