ガーシー議員の懲罰 簡単に「除名」にまで追い込むのは本当に正しいのか
参議院議員のガーシーこと東谷義和議員に対する懲罰が連日報道されています。
東谷氏は、僕のクライアントでもあります。だから、公平な意見ではないと思われても仕方がありませんが、一時の「大きな声」に流されて、選挙を経て国会議員となった一人の議員を、簡単に除名にまで追い込むことに本当に問題はないのかどうか。その判断の前提となる法律知識を書きます。
まず国会議員は、「全国民を代表する議員」(憲法43条)であり、自由な発言と活動が保障されるため、さまざまな特権が与えられています。
また、各院は所属の議員を懲罰することができますが、基本的には「院内の秩序をみだした」場合に科すことができると定められています。したがって、議員活動とは関係のない言動や犯罪行為を根拠として懲罰にかけることはできません。
すなわち、現時点でガーシー議員が懲罰される根拠は、あくまで議院の召集に応じて国会に出席する義務(国会法5条)に違反したことです。過去の犯罪、刑事告訴や捜索、警察から出頭要請といった事情があっても、これらが参議院内の議論や評決に影響を及ぼすことは通常はないので、根拠とはなりません。